東京六大学野球・東京大学野球部の監督を務める 大久保 裕(ひろし)さん 寒川町在住 65歳
「赤門旋風」再来期す
○…東京六大学野球・東京大学の野球部監督に11月4日付けで就任した。2019年11月から同部の助監督を務め、病気療養中の前監督に代わってチームを指揮してきた。練習方法など部員一人一人が考え「選手主導」で運営していくというスタイルを踏襲し、「選手を信頼して個性を伸ばしていく」。1年から3年まで部員は約90人。「雰囲気も良い。一勝一勝をしっかりと積み重ねられるチーム作りを目指す」と、柔らかな語り口の中に闘志が漲る。
◯…自身も東大野球部の出身。寒川小に通う10歳前後から野球を始め、旭が丘中、湘南高、東大と続け、卒業後は社会人野球の三菱自動車川崎でプレーした。引退後は定年まで人事や労務等に従事。新工場立ち上げのため中国へ駐在したりと忙しくする中で、「いつかは現役選手の指導ができれば」と夢を描いていた。そして定年後、東大野球部の指導陣が替わるタイミングで手を挙げた。自身は、同部が最も優勝に近づいた1981年春の「赤門旋風」当時の主将。「その活躍を再び」と心を熱く燃やしている。
◯…寒川で生まれ育つ。叔父の野球道具が「遊び道具だった」。近所の学習塾の野球チームに入団後、塾にも通いだし、「野球も勉強も頑張った」。中学2年の進級時に旭が丘中が完成し、1期生になった。バックネットは学校が用意してくれたが、野球部を作るためにグラウンド整備は自分たちで行った。3人の息子も同校野球部のOB。「応援に行った時は感慨深かったね」と目を細める。息子たちが幼い頃は「パパコーチ」として寒川タイガースで指導していたことも。上達するコツは「楽しんでやること」。「あと勉強も頑張ってね」とエールを送った。