4歳まで寒川町で暮らし、現在は茅ヶ崎市在住のパラ水泳選手、田中映伍さん(19)が3月9日(土)と10日(日)に静岡県富士水泳場で開催される「日本パラ水泳春季チャレンジレース」に出場する。同大会はパリパラリンピックの選考会を兼ねており、田中さんは「準備してきたことを発揮してパリへの切符をつかみたい」と意気込んでいる。
田中さんは生まれつき両腕のない障害があるものの、幼い頃からサッカーやサーフィンなどさまざまなスポーツに取り組み、中学生になると本格的にパラ水泳を開始。高校3年時から水泳教室「パルバル湘南スポーツクラブ(茅ヶ崎市)」で専門的な指導を受けるようになると、一気に実力を伸ばし2022年7月の大会では200m個人メドレーの日本新記録を樹立した。
昨年4月には東洋大学に進学し、現在はキャンパスに近いナショナルトレーニングセンターを拠点にほぼ毎日、厳しい練習を重ねている。
昨年7月末から8月にかけて、イギリス・マンチェスターで行われたパラ競泳の世界選手権では、出場4種目中2種目で日本新をマークするなど活躍し、「パリ」を射程に捉えている。
今回の選考会には50mバタフライと50m背泳ぎの2種目に出場予定。まずは両種目とも派遣標準記録B(バタフライは36秒70、背泳ぎは38秒29)のクリアを目指す。
ともに自己ベストは上回っており、他の選手の成績などにもよるが、本来の実力を発揮すればパリパラリンピックを大きく手繰り寄せることになる(50m・100m自由形はすでに基準記録をクリアしている)。
持久力強化で世界へ
昨年の世界選手権では50mバタフライで5位に入るなど、健闘した一方でメダルを獲得したトップ選手たちにはタイムを開けられ「差を痛感した」という。
特に明らかになったのはスタミナ不足。「前半のスピードをどれだけ維持できるかがカギ」と約半年にわたって、1日で4000m以上泳ぎこむなど持久力の強化に取り組んできた。
パリがかかる選考会を前に「充実した練習ができて成長している実感があるので、その成果を発揮したい。4年に1回の舞台がこのタイミングでめぐってきてうれしい。まずは確実に出場権を獲りたい」と田中さん。パリの先には、28年ロサンゼルスや32年ブリスベンでのメダルという目標も見据えている。
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