およそ102年前の1922年に開通し、1984年に廃線となった「JR相模線・西寒川支線」のレールが残る一之宮緑道(一之宮公園内)脇に、「西寒川支線廃線跡案内図」が3月4日に設置された。同所には現存する最初期の国産レールが残されており、設置者の町観光協会では「当時を知る貴重な資料であり、町の財産。多くの方に見ていただきたい」と話している。
西寒川支線は、相模川の砂利輸送線として1922年5月10日に寒川駅〜四之宮駅間が開通。砂利輸送に始まり、貨物や旅客営業も行われたが、1984年3月31日に廃線となった。現在、線路後は一之宮緑道として整備され、当時のレールが約200mにわたり保存されている。現存する1番古いレールは1909年製で、国産レールの最初期のものだという。中には、第二次世界大戦中から戦後の混乱期に製造された数少ないレールも残る。
また、同支線の終着駅だった西寒川駅跡には20mほどレールが残り、現在は八角広場(一之宮6の2)として整備されている。同協会では、「西寒川支線の歴史をもっと知ってほしい」と、公園を管理する町の許可を得て、案内図を設置した。
案内図は縦120cm×横90cm。西寒川支線やレールの歴史のほか、運行当時の写真、観光情報などを紹介している。
製作するにあたり、同支線を研究している、さむかわ観光ガイドクラブの森和彦副会長(76・町内在住)が監修。車両や駅舎などを60年以上撮影し続け、寒川文書館にも古い写真を寄贈している高澤一昭さん(80・同)が写真提供した。
森さんは「貴重な遺産。将来に向けてしっかりと保存していってほしい」と話し、高澤さんは「ここに線路があり、列車が走っていたことを知ってもらい、遊びにきてくれるとうれしい」と笑顔を見せた。
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