平塚(まち)の足跡 〜町名探訪〜 第73回 「札場(ふだ ば)町」
東は馬入川に面し、西に県道607号(平塚港平塚停車場線)、北に市道42号(平塚大磯海岸線)が通る住宅地。立ち並ぶ魚商が、港町の風情を感じさせる。
昭和25年の平塚市町界町名改正原案では、「有明町」や「柳河岸」という名称が提案された。住民からの意見と各地区出身議員の協議会によって名称を「札場町」と定め、同40年7月に町名変更が実施された。
札場という名は、江戸時代、須賀のほぼ中心に位置する辻(十字路)に、掟書を記した木札を掲示する高札場が置かれていたことに由来する。ここを「札場(ふだば)」といい、十字路を「札の辻」と呼んだ。
札の辻から伸びる道の1つに、平塚新宿の東海道に向かう大道があり、東海道から起点となる八王子道、大山道、曾屋道に繋がる。もう1つはさかな道と呼ばれ、馬入や八幡、四之宮を経て、八王子道に合流する。
札の辻は明治20年の東海道鉄道開通以前、相模中央部における物資の一大集散地として栄え、須賀の商人は、この地を起点に各地へ向かったという。
【協力/平塚市市史編さん担当、参考文献『新編相模国風土記稿』『平塚市・須賀の今昔』『須賀ものがたり』
■次回は大島の予定
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