入浴時などに要介護者の腰に巻いて立ち上がりや移動を補助し、介助者の負担を軽減するベルトを市内虹ケ浜の浅野英治さんが考案した。アイデア商品開発・販売会社の創業者で自身も要介護3の浅野さん。「介助者に全面的に頼らず、残存筋力を使って自ら動くことで寝たきりの回避につながる」と期待する。
介助ベルト考案のきっかけは4年前の入院。手足の筋肉が衰える原因不明の病だった。入院中はトイレと入浴に難儀したという。立ち上がる際は看護師に身体を預け、脇の下から両腕で抱えてもらわなければならなかった。とりわけ衣服を脱いだ状態の入浴時は手が滑らぬようにつかむところがなく、「転倒するかもしれない」と危険を感じた。
「この不安を解消する良い方法はないか」。退院すると介護用品を調べ、さまざまな介助ベルトを取り寄せて試した。「革製は体に食い込んでとても痛かった。取っ手付きのものや見た目がゴツゴツしたもの。材質や装着感などで使いやすいものが見つからなかった」
そこで、アイデアマン自ら編み出すことに。肌へのフィット感を最優先し設計、ベルトの素材や幅、厚さなどを変えて試作を重ねた。アイデアグッズの製造で長年付き合いのあったメーカーの協力も得て、約2年がかりで綿100%の日本製タオルを軟質樹脂製のホルダーに通した「タオルベルト」にたどり着いた。安全性も考慮し、留め具のバックルは自動車用シートベルト・バックルの国内トップメーカーが担当した。
タオルベルトは体の重心の腰回りを支えて起こすので、介助をする側と受ける側にも負担が少なく、立ち上がりしやすくなるのが特徴だ。浅野さんの入浴を介助するヘルパーは「タオルベルトを着けてもらうと軽い力で介助ができる。転倒のリスクを減らすことも可能で、互いに安心感がある」という。
「タオルは肌になじみ、洗濯できて衛生的。カイロを挟めば腰回りが温かい」と浅野さん。「ベルトの活用で介助者の労力を減らし、要介護者が少しでも自立した生活を送れるようになれば」と語る。
タオルベルトは1本1万2千円(税別)で販売。介護保険適用。問い合わせはアイデアハウス【電話】045・453・7718。【URL】www.idea-house.jp
![]() 相撲のまわしのようにタオルベルトをつかんで立ち上がりを補助する
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