米も具材もすべて地場産にこだわり
平塚農業高校の生徒が、市内外に食料品店12店舗を展開する(株)しまむらとの「コラボおにぎり」の開発に取り組んでいる。同高で育てた米を使用し、若者らしい自由な発想でレシピを提案。現在、商品化に向けて改良を重ねている。
商品で使用する神奈川県奨励米「さとじまん」を同高の田んぼで育てているのは、作物機械研究班の18人。メンバーは昨年、全国の農業高校が出場する「お米甲子園」に初参加。でんぷんに含まれるアミロースや水分量を計測して科学的な「おいしさ」を競う同大会で、「おいしい米」と認定される基準170点に167・2点と一歩及ばず。「冷めても甘く、もちもちしている。今年は必ず認定させる」と班長の露木京介さんは話す。今年は苗を植える密度を変え食味にどう影響するかを実験し、商品化も視野においしさを追求する。
手塩にかけて育てられた米をオリジナリティーあふれるおにぎりにするのは食品科学研究班の生徒たち。「自分が食べたいおにぎりを作ろう」と班員6人で案を出し合い、商品化に向けた4種のレシピを考案した。「元気ガッツリにぎり」は、豚挽き肉と湘南一本ネギを味噌と三温糖で味付け。ちりめんじゃこやあおさを使った「湘南しらす潮にぎり」は塩と醤油の2種類を用意した。熱を加えると甘みが増すトマト「湘南ポモロン」にチーズと海苔を加えた変わり種「レンジで簡単トマリゾにぎり」も自信作だ。
コラボのきっかけは同高文化祭での「その場で来場者に米を食べてもらいたい」という生徒の意見。(株)しまむらに製品化の協力を提案すると、地場のものにこだわり事業展開する同社が快諾した。昨年12月からおにぎりの試作を始め、今年4月に同社と試食会を実施。「色味や使用する容器の価格など、自分では気づかなかった販売する側の視点を知ることができた」とレシピを考案した齋藤亜莉彩さんは振り返る。今後は小田原総合ビジネス高校と連携し、ラベル作成や販売方法を考えるなど、学校や地域の枠を超えたコラボレーションも検討しているという。
今季の田植えを終えた露木さんは「おいしいお米を送りだせるよう、夏休みも雑草抜きをして、大切に育てたい」と話し、食品科学研究班の小林愛美さんは「高校生らしい発想のおにぎりを早く多くの人に食べて欲しい」と笑顔を見せた。
現在はおにぎりのレシピを同社に提供し、大量生産に向けた改良を行っているという。
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