見附町在住の米国人、ゴルマン・タジさん(42)が、2010年から千石河岸の相模川河口付近で海岸清掃に取り組んでいる。大雨や台風が来るたびに大量に打ち上げられるゴミを拾うタジさん。8月に4回、今回の台風24号を受けて10月中にも実施を予定している。「海がきれいだと本当に気持ちいいからね」
米国フィラデルフィア出身のタジさんは、日本語習得のために、01年に来日。英会話講師として平塚市に転居した。二宮中学校の英語教師を勤めるなどし、現在は三島市の国立遺伝学研究所で学術支援員として研究員にプレゼン手法などを指導している。当初は数年で帰国する予定だったが、「治安もよく、何よりも穏やかな海がある平塚の暮らしが心地よい」と残ることを決断したという。
タジさんがビーチクリーンに興味を持ったのは8年前。友人に鵠沼の清掃活動に誘われた。100人規模の清掃は、参加者同士も打ち解け、とても楽しいイベントだったが、ある海岸の景色が心にひっかかった。
来日して間もない頃、平塚を知ろうと自転車で街を走る中で立ち寄った相模川河口の幅100mほどの海岸。ひとたび大雨がくれば、一面が川からのゴミであふれた。「クリーンにしなくてはいけないのはこの場所だ」と、10年の春にフェイスブックで呼びかけ、友人10人で清掃を実施した。
公益財団法人「かながわ海岸美化財団」にゴミ袋の提供とゴミの回収を協力してもらい、大雨のたびにイベントを立ち上げた。海岸清掃には外国人の友人を中心に毎回5人から10人が参加し、多い時は70リットル袋が100袋以上集まることもあったという。
タジさんは地域に溶け込もうと、平塚の歴史を勉強し、神社の祭りにも積極的に参加。そのつながりで、協力者も増やしている。「マイナーな海岸で場所が知られていないのがネック。もっと多くの市民に現状を知ってもらい、みんなで清掃して一緒に乾杯したい」とほほ笑んだ。
活動の問い合わせはタジさんのフェイスブックや【メール】tajitaji117@gmail.comへ。
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