飼い主のいない猫との触れ合いを楽しんでもらいながら里親を募る「譲渡型保護ネコカフェにじのはし」が11月1日、明石町にオープンする。サン・ライフのグループ会社でペットセレモニー事業を手掛けるウェイビー(井上充代表)が運営する。
同店は、県動物保護センターや動物愛護団体から猫を引き取り、放し飼いの空間で猫と触れ合いたい人に過ごしてもらう。一般的な「猫カフェ」と違うのは、飼い主探しを目的としている点だ。
店内で現在保護している15匹の猫には、検疫や避妊手術の履歴などを記したカルテを用意、安心して引き取れるようにする。カフェは猫が人慣れする訓練の場にもなる。
同社代表の井上さんは保護猫団体で活動し、里親探しに取り組むボランティアの負担を痛感していた。「保護するために借家をする人もいて限界を超えている」と話す。
市内NPO法人「平塚のら猫を減らす会」(平田昇理事長)は毎月、市内土屋の動物保護センターなどで猫の譲渡会を開いているが、引き取られるのは40匹のうち半数程度で運営負担も重い。インターネットやスーパーの掲示板で飼い主を募っても反応は鈍いという。
平田さんは「カフェができることで、譲渡会が毎日開かれている状況になる。少しでも多くマッチングされれば。保護猫への理解と意識も高まる」と期待を寄せている。
同店を運営するウェイビーはペット専門の葬祭業を手掛ける。井上さんが愛犬を亡くした際、無機質な火葬のされ方にショックを受けて立ち上げた事業だ。家族の一員として見送るサービスを提供し、1月には田村に専用ホールをオープンした。
井上代表は「情が湧いてしまい、いつかもらわれると思うと涙が出そう」と猫の頭を撫でながら苦笑い。それでも年間100匹の譲渡が目標だ。
カフェは30分700円(1ドリンク)で運営し、ペット仏具店も併設した。収益を上げながら保護ネコ活動を軌道に乗せるつもりだ。問い合わせは同店【電話】0463・25・5007(明石町24の13)。
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