4月1日付で平塚市病院事業管理者(平塚市民病院)に就任した 石原 淳さん 南原在勤 66歳
チーム医療で地域守る
○…病院事業管理者とは、地方公共団体において、病院事業を経営する特別職。新型コロナの影響でスピード感を持った対応が迫られる中、高度急性期や周産期をはじめとする患者の受け入れを両立させるためには地域連携が不可欠だ。医師として現場に立ちながら、公立病院として地域医療全体の質を向上させる取り組みを強化しつつ、「病院の健全経営に向けてまい進したい」と意気込む。
○…島根県出身。両親とも開業医の家庭で、医師になるのは自身にとって自然な流れだった。上京し、慶応大学の医学部に入学。実習で出会った小児科の医師の「医業とは手術の技量だけでなく人と誠実に接することが大事」との姿勢に感銘を受け、もともと関心のあった心臓などの循環器系医療の中でも、内科ではなく小児科を志すようになった。
○…実際に現場に配属されてからは、当時はそれほど浸透していなかった”チーム医療”の大切さを痛感することになる。心臓の治療は小児科による診断と、外科の手術の両輪で進む。多いときは毎日のように科をまたいでミーティングを重ねた。「チーム医療は今では看護師や介護士など他職種との連携を指すが、その原点が今も体に染みついている」。
○…小児科では大人と違って、先天性の心臓構造異常などを扱うことが多い。2008年北京五輪女子ソフトボールの金メダリスト・西山麗選手もその一人だ。先天性の病気で激しい運動ができなかった彼女は、中学時代に手術を乗り越え、臓器移植を行った日本唯一の金メダリストとなった。母親となった西山選手とは、今でも遠征の前などの診察で顔を合わせる。「子どもの頃から診てる分、感慨深いね」と目尻に皺を寄せた。
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