平塚市は11月10日、湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備・管理運営事業について、当初予定していた12月の工事着手を延期すると発表した。塩・風の調査や既存樹林をさらに保全する検討等を行うため。着工時期は12月末までに決定。また、16日の定例記者会見で、同じく12月に予定していた事業者との実施協定締結も先送りにすることを明らかにした。
同事業は、積水ハウス(株)が管理運営の代表企業となり、カフェやコンビニ、イベントスペースの建設が計画されている。今年12月に着工、22年12月に開業予定だった。
開発には海岸樹林の伐採が含まれており、地元住民からは「塩・風・津波等の被害を防ぐ機能が失われるのでは」と懸念の声が上がっていた。
4月には、樹林が持つ防塩機能等を明らかにするため、樹林伐採に反対の市民団体「豊かな海と暮らす平塚市民の会」の有川和香恵さんらが中心となり、プール跡地の近隣50カ所で塩害調査を自費で実施。「樹林が途切れているプール跡地や樹林密度が薄い箇所で飛来塩分濃度が高い」という調査結果を7月に県、8月に市に提出している。
また、市議会9月定例会本会議で落合克宏市長は「塩害と風害の調査を実施する」と、複数議員の質問に答えていた。
有川さんは着工延期を受け「塩・風害と海岸樹林帯の関係性を示せる客観的で透明性のある調査をしてほしい」とコメントした。市担当者は「住民から不安の声ももらっている。市として調査、説明することで安心してもらいたい」と話した。
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