鎌倉時代の仇討ち物語『曽我物語』で知られる曽我兄弟の兄・十郎祐成(すけなり)と恋仲だった「虎女(とらじょ)」ゆかりの地が、平塚に複数ある。新春の清々しい空気に包まれて、今年の干支にちなんだ”虎”女の歴史散策はいかが。
平塚市山下の長者屋敷で生まれ、大磯町の宿場で遊女として働いていた虎女。鎌倉時代の遊女は美と教養を兼ね備えた知識人だった。
祐成とは17歳の時に出会い、恋に落ちる。曽我兄弟が仇討ちを遂げたが処刑されたことを伝え聞き、19歳で出家を決意。以降仏門に仕えながら64歳で死去するまで夫・祐成のことを一途に慕い続け、『曽我物語』を全国に伝え歩いたと言われている。
平塚には虎女のゆかりの地が数多く残る。虎女が生まれた場所とされる「山下長者屋敷跡」や、虎女が祐成への追慕の念を断つために恋文を燃やした「虎女の文塚跡」(山下・白藤稲荷社内)などが挙げられる。
大河にもゆかり
1月9日から始まるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で登場する源頼朝の家臣団13人の一人、和田義盛は、曽我十郎祐成と宴席で虎女を取り合ったというエピソードが残っている。
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