平塚駅北口前の「ユーユー梅屋本館」が、今年9月下旬に閉館する。株式会社梅屋の代表取締役を務める濱田八千代氏(46)が4月19日、本紙の取材で明らかにした。老朽化で、施設の維持が困難になったことが理由という。1963年に梅屋百貨店本館として建てられた同館は、2011年に百貨店営業を終了。テナントビルとして営業していたが、9月下旬で完全閉店となる。
濱田氏によると、施設の老朽化に伴い空調設備などの修繕、バリアフリー面を考慮した施設整備など、利用者や従業員が安全で快適に利用できる環境を整えることが困難であることが閉館の理由だという。
濱田氏は、駅前に掲げる看板を下ろすのは勇気がいる決断だったと話し、「館内に下りエスカレーターがない等、使いづらい場面も多い中、古くから市民の方にご愛顧いただけて本当にありがたい」と感謝を述べた。
商都の象徴惜しむ声も
1907(明治40)年に小売店として創業した梅屋は、1963年に現在の建物を新築し梅屋百貨店として営業を開始。湘南エリアを中心に人々の買い物を支え、「商都ひらつか」を象徴する存在となった。2011年に百貨店経営を終了し、翌年からテナントビル「ユーユー梅屋」として再スタート。58年にわたり、平塚駅前の移り変わりを見守ってきた。
平塚市商店街連合会会長で、平塚商工会議所会頭の常盤卓嗣さんは「高島屋、松坂屋など百貨店を呼ぶとき普通はそのままだが、平塚市民は梅屋を『梅屋さん』と呼ぶ。呼称からもわかるほど、市民から愛されている店が閉店するのは残念」と話した。
本館閉館後も、駅前館の営業は継続するという。梅屋本館の土地・建物はマンション事業を得意とする不動産会社が所有しており、その後の土地利用は所有会社によって決定されるという。
七夕飾りの掲出はせず
梅屋はこれまで、湘南ひらつか七夕まつりで大型の飾りを掲出し、特選の受賞歴を持つなど、七夕の顔としても存在感を放っていた。今回の閉館に伴い、今年3年ぶりに開催される七夕まつりでの飾りの掲出は行わない。濱田氏は「今回は第70回という記念すべき時だが、作り手の高齢化もあり、残念ながら断念することにした」と惜しんだ。
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