国道134号の龍城ケ丘プール跡地を含む湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーンの整備について、平塚市は5月27日、着工に向けた事業者との実施協定締結期限を2024年3月末に延期すると発表した。交通対策に向けた駐車場配置の見直しや既存樹林の保全促進、塩・風害の調査を踏まえて計画を練り直す。
同事業は積水ハウスが管理運営の代表企業となり、飲食施設やスポーツ、イベントスペースなどを備えた公園を整備する計画。当初は昨年12月に着工、今年12月の開業を目指したが、市は塩・風害調査を進めるため事業者との実施協定締結期限を今年6月末に延期していた。
27日の記者会見で2度目の延期を明らかにした市は、▽2カ所の駐車場を1カ所に集約▽既存樹木のさらなる保全▽塩・風害調査の結果を踏まえた対応▽新規植栽の追加と一部施設の規模・位置の見直し――の検討を理由に挙げた。事業者と施設配置の見直しなどを協議し、今夏中に新たなプランを示すとしている。
事故防止へ駐車場集約
市側の説明によると、従来の計画では開発エリアの東西に60台収容可能な駐車場を2カ所整備する方針だった。しかし西側駐車場の出入口には信号機がなく、国道134号に合流する際の出会い頭の事故などに対する懸念があるとして、神奈川県と県警との協議の中で安全性に配慮するよう指摘があったという。
これを受け、駐車場を東側1カ所に集約する案に修正する方針。当初予定していた120台の収容台数を維持するかは今後事業者との協議で詰める。整備計画の大幅な見直しが迫られるため、着工に向けた事業者との実施協定締結期限を24年3月29日に定めたが、供用開始時期は未定とした。
施設配置の見直しの方向性として既存樹林の保全も挙げ、先月で終了した塩・風害調査の結果を踏まえた飛砂防備機能確保と合わせて事業者と検討を進める。
龍城ケ丘プール跡地周辺の開発をめぐっては、樹林の伐採による景観や住環境に対する影響などを危惧する周辺自治会や市民団体らが反対運動を続けている。落合克宏市長は「反対される方の中には全部切ってしまうような主張をされる方もいるが、東側のエリアは樹林を保全しながら使っていこうという計画」と述べ、整備エリアへの新規植栽以外にも「当初考えていたプランと同等以上(樹林の)確保をしていきたいと思っている」と説明した。
樹林帯の保全などについて考えるイベントを5月に開催した海街フェス実行委員会の有川和香恵さんは、「今後の平塚市の方針が海岸樹林帯をどこまで保存しようとするものかをしっかりと見極め、皆で協議していきたい」と話した。
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