平塚市民病院は7月27日の記者会見で、前立腺がんなどの手術に使用される国産初の支援ロボット「hinotori」を県内で初めて導入すると発表した。6月に納入が完了し、10月中旬に最初の手術を予定している。
ヒノトリを使った手術では、患者の体に開けた穴からアームの先端部を入れ、術者は離れたコックピットから遠隔操作を行う。従来の腹腔鏡下手術より安全で精密な操作が可能になり、傷口も小さいため患者の負担軽減が期待される。
導入費用は約1億7千万円で、アメリカ製の類似機器「ダビンチ」の6割程度。主に前立腺がんやぼうこうがんなどの泌尿器科領域の手術に用いられ、今後は婦人科や消化器科にも適用される見込みだ。
支援ロボは県内で25施設、相模川以西では東海大学医学部付属病院に一台あるのみで、市民病院ではこれまで患者を市外の医療機関に紹介してきた。今回の導入で年間50件ほどの症例の治療が市内で完結するという。
会見に臨んだ石原淳病院事業管理者は「術後のフォローも含め、がん患者やその家族にとって自宅近くで治療が完結することは安心にもつながる」と話した。
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