平塚市教育委員会は昨年12月28日付で、北金目塚越遺跡(北金目)と神明久保遺跡(四之宮)から出土した遺物2点を市指定重要文化財に指定した。同文化財の指定はこれで計48件となった。
北金目塚越遺跡から出土した「三筋壺(さんきんこ)と伊勢型鍋」は、三筋壺(高さ25・8cm、口径11・4cm)の口に半分に割れた伊勢型鍋(推定口径24cm)がふたをするようにかぶせられ、横倒しになった状態で発見された。鎌倉時代前期の作とみられ、埋納行為として土中に埋められたものと考えられるという。
三筋壺は愛知県の知多半島を産地とする常滑製で、釉薬が剥落した部分はあるものの、完存する初期の製品として考古資料や美術工芸品としても価値が高い。
経典などを納める経筒や蔵骨器としての使用が一般的だが、今回出土した壺の内部には人骨などが見られないことから、経筒外容器として用いられたと考えられるという。市社会教育課は「鎌倉時代における平塚の地域的、歴史的文化をうかがい知ることのできる貴重な資料」と評価する。
相模国府と関連か
神明久保遺跡の遺物である「錠前牡(おす)金具」は銅製で全長4・94cm。セミのような昆虫をモチーフにした金具が取り付けられている。正倉院の伝世品にみられるような施錠部が2段のばね構造になった技法が特徴で、同様の錠前は長岡京や平安京北野廃寺、薩摩国府といった政治的な中心地からの出土例が多いという。神明久保遺跡は相模国府の推定域内にあり、「古代平塚を考究する上で欠くことのできない資料」(同課)という。
2点の出土品は今回の指定を受け、5月以降に市博物館で公開される予定。
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