市制30周年を記念して1963年に建立された人魚像『海の賛歌』に原画があることが分かった。原画は、設置当時市長を務めていた戸川貞雄氏の息子で作家の故・戸川猪佐武(いさむ)さん宅に所蔵されていた。2月に戸川市長のひ孫にあたる五十嵐友一さん(33)が平塚市に寄贈を予定している。
人魚像は市制30年の記念事業として、文化勲章受章者で熱海市名誉市民の彫刻家・澤田政廣(せいこう)氏が制作。「躍進途上の平塚市にふさわしい」と戸川市長が『海の讃歌』と命名した。戸川市長の支援者で、市観光協会に所属していた杉山久吉さんと澤田氏が幼馴染だったことが縁で制作を依頼したと考えられる。
原画は色紙に水彩で描かれており、左下に「政廣」の落款印が押してある。長年、猪佐武さん宅で次女夫妻によって保管されていたが、人魚像の解説板が設置されたことや地元議員からの勧めもあり、五十嵐さんは市に寄贈を打診。昨年12月に市職員や平塚市美術館学芸員らが原画を確認し、寄贈が決まった。
五十嵐さんは「澤田政廣氏の仏像の絵はたくさん残っているが人魚像は貴重だと聞いた。この絵の価値は平塚市にあってこそ。家族だけでなく、たくさんの人に見てほしい」と話していた。
人魚像『海の讃歌』は設置当初平塚駅北口ロータリーにあったが、70年5月の駅広場中央地下道開通に伴い、現在の南口駅前に移転している。
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