知的障害を抱えながらも、バスケットボールの世界で日の丸を背負い戦う女性がいる。フィリピンで生まれ、20歳で日本に帰化した岸カイラさん(23・南原在住)。6月に開催された国際知的障がい者スポーツ連盟主催の国際大会に女子バスケ日本代表として出場し、優勝に貢献した岸さんは「本当にうれしかった」と喜びをかみしめる。
岸さんはフィリピン人の両親のもとに生まれ、10歳の頃に平塚に移住。ほどなくしてバスケに興味を持ったが、慣れない異国での生活もあり一歩を踏み出すことができなかった。
中原中学校に進学するとバスケ部に入部。念願だった競技に明け暮れる一方、在学中に知的障害の診断を受けた。
競技が自身の成長に
4歳離れた妹と日本語を学び始めたが、学習進度に差があるなど兆候を感じることもあった。周囲と自分を比較するあまり、日々の生活や部活でも自信が持てずに遠慮がちだったというが、「めげずにバスケの練習に打ち込むことで、部活動や学校の友達とも楽しく学校生活を送れたし、自信も持てた」と振り返る。
県立湘南支援学校に進学すると、知的障害者バスケクラブ「藤沢ウイングバスケットボールクラブ」の福岡昭監督に才能を見出された。在学中にクラブに加入し、卒業後も社会人として働きながら練習に励む。
世界相手に実力発揮
岸さんは、5月の全国大会で神奈川県選抜として活躍し、代表合宿に初招聘。1次・2次選考を通過して日本代表に選出された。
国際大会は3人制ルールで行われ、21点先取もしくは10分間終了時点でのスコアで勝敗を決める。日本代表は準決勝のオーストラリア戦に14対13、決勝も同国の別チームを相手に13対12と接戦を制し、2大会連続優勝を果たした。
身長156cmと日本代表の中では最も小柄ながら、得意のステップで相手選手を翻弄した岸さん。「海外の大きな選手にも怯まずプレーできたことは自信になった」と、バスケ人生の中でも忘れられない大会となった。
岸さんは「ディフェンスが苦手だから、これからもっと練習して上手くなりたい。バスケをしている時が一番楽しい」とほほ笑む。自身の人生を変えてくれたバスケへの情熱を胸に、4年後の国際大会でも再び世界一を目指す。
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