平塚市美術館で個展「岡田健太郎-重なる景体」を開催している 岡田 健太郎さん 茅ヶ崎市在住 46歳
日常も創作の源泉
○…「自己主張しない、周囲にあるものと関わりを持った作品作りをしたい」と話す通り、平塚市美術館で4月7日まで開催している個展では、会場に溶け込むような彫刻作品を展示している。短く切断した鉄製の棒同士を溶接することで五角形を作り、それらを組み合わせることで網目状のオブジェを制作。今回のために完成させた新作2点を含む16点が並ぶ。
○…両親の出身地・岡山県で生まれ、物心がつく前に横浜へ転居した。「小中学生の時は車のプラモデル工作が好きだった」といい、高校1年で「将来はカーデザインの仕事をしたい」と美大を志望。2浪の末、難関の武蔵野美術大学に入学した。彫刻家だった恩師の影響で自身も同じ道に進み、卒業後は石を素材にした作品などを手掛けていた。10年程前に花屋を営む知人から鉄製の花器を依頼されたことがきっかけで、現在の手法を見出し活動している。
○…自宅のある茅ヶ崎市で過ごす中、3歳になった娘の子育てからも刺激を受ける日々を送る。「丸や三角形ばかりだが、娘が描く絵は勢いがあって圧倒される。自分も頑張らないといけないと感じる」。子ども向け番組にも創作のヒントがあるといい、「娘のおかげで世界が広がった」と感謝する。
○…日ごろ気になることを自分なりの解釈で表現してきた。今回の新作の1つで、高さ約4メートルある作品『色づく景体』は、平塚市から見える山や工場、畑、月などをイメージした。「自然と人間が共存する、どこにでもある日本の風景を作りたかった」と思いを語り、「写真で作品を見ることもできるが、ここでしか味わえない、美術館に溶け込んだ作品の姿をぜひ楽しんでほしい」と呼びかけた。
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