国道129号沿いの八幡交番が来年3月末で廃止され、四之宮交番と統合される。県内に471カ所ある交番を、10年間で約400カ所に減らす県警の整備計画の一環。老朽化の程度や事件事故の取り扱い件数などを踏まえ、同時期に7カ所の交番が統合となる。
県警は、交番勤務員の適正配置や老朽化などに伴う施設更新などの指針を定めた整備基本計画に基づき、2020年度から29年度までに県内約70カ所の交番や駐在所を削減するとしている。これまでに34交番が統合されており、県警が今年2月に発表した24年度末の統合対象は、八幡交番を含む7カ所だった。
築49年、老朽化進む
八幡交番は1975年に建てられ、築49年が経過。交番自体が傾くなど耐震性が不安視され、平屋建てで手狭という課題もあった。
平塚署によると八幡交番の管内人口は約1万4千人で、市内の交番内で3番目に少ない。22年の交番来訪者は同署管内で最少だった。単独勤務や空き交番になるケースも多いといい、全国で警察官が襲撃される事件が発生する中、勤務員の安全を確保するためにも統合による勤務体制の見直しが必要と判断された。
統合にあたり、同署では昨年10月から今年2月にかけて八幡交番管内の自治会関係者らに報告を行ったほか、回覧板などで地域住民に周知を図った。地元住民からは、防犯パトロールの拠点や慣れ親しんだ交番がなくなることに対して不安や寂しさを訴える声が聞かれた一方、署員の複数勤務に理解を示す人もいたという。
アクティブ交番を配置
八幡交番の廃止後は、平塚署から1Kmほどしか離れていない利点を生かしてパトカーによる警戒を強化するほか、現在3人体制の四之宮交番の勤務員を増員し、治安維持などにあたる。各地で導入が進む交番機能を備えたワンボックスタイプの車両「アクティブ交番」も、地域住民が多く集まる場所などに配置するとしている。
同署では「交番の統廃合後も、市民が安心安全に暮らせるように努めていきたい」と話している。
市内で交番が廃止されるのは、2021年3月の須賀交番に続いて2例目。八幡交番の廃止により、市内の交番数は10カ所、駐在所は9カ所となる。
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