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魚減少の救世主? 平塚に 小型陸上養殖機を開発

社会

公開:2024年8月16日

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研究所を見学する参加者
研究所を見学する参加者

 「1980年代のピーク時と比べると日本の漁獲量は3分の1になっている」。8月2日、平塚市立公民館主催の地域産業を学ぶイベントで危機感を訴えたのは平塚市東八幡にある(株)アークの竹之下航洋社長(43)だ。

 同社は2020年創業の陸上養殖機メーカーで、平塚市を開発拠点にしている。立ち上げメンバーの一人であり、平塚市出身の吉田勇さん(47)は「趣味が熱帯魚釣りだったので、以前から海の変化に敏感だった。魚が食べられなくなるのは嫌だと思った」と同社設立の経緯を話す。

小型化と自動化が特徴

 販売している装置本体のサイズは10平方メートルほどで、駐車場1台分のスペースがあれば設置できる。事業参入しやすい低価格に加え、スマホで遠隔操作が可能なので、給餌や水質管理、清掃の手間が削減できるのも特徴だ。「灯油を入れ忘れたことがあったが、アラームのお陰で助かった。どこでも誰でも安定した水産養殖ができるのが強み」と竹之下さん。

環境に配慮

 「魚が減ったのは人が捕りすぎたことも原因。陸上養殖で海を休ませ守ることも使命」といい、環境への配慮も語る。ロンドンに子会社を置き、世界の砂漠地帯や都市中心部への展開を目指している。千石河岸の研究所を見学した市内在住の小学1年・磯貝侑さんは「魚が好きで参加した」と話し、母親の悦子さんは「水道水があれば養殖できることに驚いた」と感想を話した。

養殖したクエ(アーク提供)
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