1885年(明治18年)に日本初の海水浴場が開設され、 立憲政治の確立に貢献した数多くの先人たちが居を構えた政界の奥座敷・大磯。長期療養施設の機能を兼ね備えた海水浴客のための旅館「祷龍館」跡地を、大磯町民たちのウェルビーイングに寄与する場として復活させようと「祷龍館プロジェクト」が活動を広げている。
祷龍館は1887年に開業。大正時代末期に同プロジェクト発起人の吉和田忍さんの曾祖父が、土地を引き継いだといい、約300坪の敷地が民家や駐車場などとして残っている。「昔は土地の境界線などあいまいな部分があった。数年前に父が測量し、境界を整理してくれた。浮世絵にも残る大磯の歴史として、祷龍館の跡地をしっかり残したいと思ったのでは」と吉和田さん。
吉和田さん自身が地域医療に関する事業に携わってきたこともあり、療養施設でもあった祷龍館の成り立ちにちなんだ活用を模索したいと、2021年に同プロジェクトを立ち上げた。
現在、プロジェクトには大磯で民泊事業を行っている大塚彰宏さん、大磯在住でボディセラピスト・西村祐子さん、大磯の伝統地引網漁「台舟」の活動なども行う萩原春菜さん、「旅人と旅する大磯農園食堂」を主宰する福井直樹さんが参加。空き家となっていた敷地内の民家を拠点とし、「ウェルネス」をテーマにしたイベント企画などを行っている。
うつわの日にも参加
昨年に引き続き、「大切にしていたうつわ」や「使わないけど捨てられないうつわ」を交換し合う「うつわのCLEANING DAY」を10月18日(金)〜20日(日)、開催する。吉和田さんは「私有地なこともあり、跡地を見てみたいけど入りづらいと感じている方も、これをきっかけに気軽に足を運んでください」と話していた。
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