冬の贈答品として人気の「シクラメン」に異変が起きている。毎年11月下旬に出荷が始まり、12月上旬にはピークを迎えるが、平塚市万田の吉川農園によると、今年は例年よりも3週間ほど遅れているという。吉川雅幸さん(40)は「夏の猛暑に対応しきれず、花芽に遅れが出た」と原因を話す。
同園では、雅幸さんと父の尚良さん(68)の2人で作業にあたる。約500坪のガラス温室に、バイカラーが人気のプルマージュをはじめ、シュトラウスやシューベルト、ロマネなどの定番はもちろん、昨年から栽培しているジックスなど、約40品種の赤やピンク、紫など色とりどりのシクラメンを栽培している。
同園のシクラメンは、昨年11月に種をまき、1年1カ月ほどかけて栽培。雅幸さんによると「シクラメンは暑さに弱く、『夏越し』がテーマと言われている。今年は夜温が25度を下回ることがほとんどなく、夜間に回復できなかったので、花芽に遅れが出た。ただその分、年末まで良い株が楽しめる。時季は遅れたが、出来栄えは例年通り」と太鼓判を押す。
11月30日から始まった出荷は、年末まで続く予定で、東京や川崎、厚木、小田原、静岡などの生花市場に約5000鉢の出荷を見込む。同園では直売、地方発送にも応じているほか、年末にはJA湘南大型農産物直売所「あさつゆ広場」(寺田縄)でも購入することができる。
問い合わせは吉川農園【電話】0463・31・8064。
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