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中原小4年1組 「クリマサリ広めたい」 収穫から商品化まで実現

教育

公開:2025年1月24日

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御菓子司「たかはし」の店主・高橋さんにクリマサリを広めるためのポスターとチラシを手渡す児童
御菓子司「たかはし」の店主・高橋さんにクリマサリを広めるためのポスターとチラシを手渡す児童

 平塚市立中原小学校の4年1組(児童数31人)では、農地減少などさまざまな要因で「幻のサツマイモ」とも呼ばれる「クリマサリ」の絶滅の危機を食い止めようと、「クリマサリを広めようプロジェクト」に取り組んでいる。

クリマサリ絶やさない

 同プロジェクトは総合の授業の一環で行われているもので、昨年4月に活動がスタート。3、4年と持ち上がりのクラスで、3年時に市内御殿でクリマサリを栽培する笹尾美香さんとのふれあい給食をきっかけに、「クリマサリを育ててみたい」という思いが膨らんだという。担任の西野友理香教諭は「子どもたちは歴史などを調べていくうちに、クリマサリの生産農家が減少していることを知った。せっかくの平塚産のクリマサリを絶やしたくないという意見が出て、テーマが決まった」と話す。

収穫は80キロ以上

 5月には笹尾さんを学校に招き、クリマサリの苗の植え方や水のあげ方など、手入れの仕方のレクチャーを受け、一緒に苗を植えた。笹尾さんは「クリマサリは大野地区でしか生産していない。子どもたちが新しいことに興味を持って主体的に取り組んでくれたことがうれしい」と話す。

 杉山哲平さんは「クリマサリを枯らさないようにするため、笹尾さんに教えてもらった通りに育てた。植えるのが難しかった」と振り返る。その後、グループに分かれて歴史や特徴を調べ、夏休み明けに発表を行ったという。

 10月中旬には80・58キログラムのクリマサリを収穫。幣次詠太さんは「クリマサリは皮が薄いので、慎重に掘った」と話す。1人170グラムずつ持ち帰ったがまだ余裕があったため、「自分たちだけで食べるのではなく、クリマサリのおいしさを広めたい」と、12月には地域の飲食店に協力を依頼し、商品化するために動き出した。

商品化が決定

 小学校の近隣にあるカフェ「CORNER COFFEE&Design」(御殿)、ベルギーワッフル専門店「カラフルワッフル」(中原)、和菓子店「御菓子司たかはし」(同)の3店舗に協力を依頼。1月17日にはたかはし(高橋資晴店主)を訪れ、クリマサリを広めるためのポスターやチラシ50枚を手渡した。ポスターには、クリマサリが「幻のサツマイモ」と呼ばれる理由などが書かれている。

 高橋店主は「生産量が少なく市場に出回らないので、クリマサリで和菓子を作るのは初めて」と話す。

人とのつながり学ぶ

 3店では、4年1組の児童が育てたクリマサリを使った商品を販売する。CORNER COFFEE&Designでは、1月26日(日)からバスクチーズケーキを、カラフルワッフルでは1月23日〜2月1日までワッフルを、たかはしでは、スイートポテトを2月中旬に児童らと試作し、3月の中原公民館まつりで児童が販売する予定だ。

 西野教諭は「このプロジェクトを通して、人とのつながりを学んでほしいと思っていた。笹尾さんや3店舗のみなさんに関わることができたので、このつながりを5年生になっても大事にしてほしい」と話した。

笹尾さんと苗を植えた児童ら
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