大磯を舞台にした映画『胴鳴り』の監督を務める 楫野(かじの) 裕さん 平塚市高根在住 46歳
地元愛を映像に忍ばせて
○…自身の経験をもとにした「愛と孤独」をテーマに2作目となる長編映画『胴鳴り』を手掛けた。複雑な親子の関係を穏やかな世界観で描いたロードムービーだ。これまでに全国のシアターで多くの観客を魅了し、4月25日からは小田原シネマ館で放映される。映画には、大磯の海岸や海沿いの道路、平塚の店など、監督の地元愛が溢れる風景が数多く登場する。「高校生の時の思い出のビーチなど、ロケーションにはかなりこだわったのでぜひ見てほしい」と呼びかける。
○…平塚市田村出身。大磯高校時代はサッカーに明け暮れた。卒業後、友人と趣味で始めた映像制作に没頭し、映画の世界に惹かれていった。海外の自主制作映画を見たことで、「お金をかけなくても、自分の想いを自由に表現できる映画を作りたい」と、監督への道を志した。映像編集の仕事で資金を貯めながら、作品制作に取り組む日々を送ってきた。
○…「普段は出不精で、暗い性格です」と話し、憧れの映画監督「ロベール・ブレッソン」などの映画を見て過ごすことが多い。一方で、仲間と湘南海岸公園でフットサルを楽しむなど、アクティブな一面を持つ。「外出先でも、家の中でも、目に映るもの全てが映画のヒントになる」と何気ない日常の風景もカメラを通した静謐な世界観につながっていく。
○…今後は、生まれ育った平塚を舞台にした映画を撮りたいと考えており、日々、素材集めに余念がない。映画制作において最も喜びを感じるのは、仲間と協力して一つの作品を作り上げた時だ。「仲間と力を合わせることで、想像を超える素晴らしいものが生まれる。その瞬間の感動は、何物にも代えがたい」と、映画制作に魅了されている。
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