平塚(まち)の足跡 〜町名探訪〜 第65回 「唐ヶ原(とうがはら)」
市の西南、花水川の河口付近に位置する。大磯町との境目で、川に沿うようにマンションなどの住宅が立ち並ぶ。北に高麗山、東に花水川、南に相模湾といった、自然環境に恵まれた地域。昭和初期には、この地の県有地を利用して平塚町大磯町合同の湘南野球場や練馬場があった。
大磯町大磯から平塚市の花水側西岸一帯の海浜は、古くから「もろこし河原(がはら)」と呼ばれていた。5世紀前後から、朝鮮の人々が集団移住して開拓した土地であったことがその由来といわれている。
平安時代の菅原孝標(すがわらのたかすえ)の女(むすめ)の著した『更科日記』の中に「『もろこしが原にやまと撫子しも咲きけむこそ』など人々をかしがる」と、この地一帯に咲き誇っていた大和撫子と、異邦の地名をおもしろがって表現した記述が登場している。
昭和33年7月15日の町名・町界の変更において、「もろこしがはら」は語呂が悪いとされ、現在の「唐ヶ原(とうがはら)」となった。
【協力/平塚市市史編さん担当、参考『平塚市郷土史辞典』『平塚大磯の歴史と伝説』『大磯町文化史』など】。次回は「新町」を予定。
|
|
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>