復興へ観光の目玉に
岩手県大船渡市内にある碁石海岸にちなんだ「囲碁まつり」を震災復興の新たな旗印としてもらおうと、市内NPO法人「暮らしと耐震協議会」の木谷正道理事長(66)=桃浜町在住=が実行委員長となり、大船渡市や日本棋院、ボランティアらを巻き込んで7月19日〜21日の開催にこぎつけた。
碁石海岸は、碁石のような黒い玉砂利が一面に敷き詰められた景勝地。木谷さんは東日本大震災の被災地に訪れていた縁で、大船渡市で復興支援にあたる団体から囲碁まつりができないものか相談された。囲碁のまちづくりを推進する平塚市に住み、多くのプロ棋士を育てた木谷實九段の三男、被災地支援に熱心な木谷さんはこの上ない適役だった。
木谷さんら実行委員会は今年3月から、大船渡市の戸田公明市長を数回にわたり訪問し、開催を提案した。碁石海岸を観光に活用したいと考えていた戸田市長も快諾、日本棋院からの協力も取り付けた。
女流名人の謝依旻六段らと対局する「100面打ち」をはじめ、三陸鉄道の車内に碁盤を置く囲碁列車の運行、同市博物館長の案内する碁石海岸ツアーなど、企画は盛りだくさん。地元住民はもちろん、全国の囲碁ファンが訪れる祭に育てるつもりだ。
木谷さんは「囲碁好きにとって碁石海岸のロケーションは魅力的で、電車でも旅館でも囲碁が打てるようになれば行きたい人は多いはず」と話し、囲碁が同市にとって絶好の観光資源になると見る。
実行委は5月14日を「碁石の日」に制定するなど、「囲碁のまちづくり」への意見書も同市に提出。戸田市長も前向きに検討しているという。「囲碁は過疎地の振興や国際交流、子どもの教育、高齢者の認知症予防など、社会問題の解決にも有効」と木谷さん。
同まつりでは、仮設住宅に住む高齢者らの認知症対策に「囲碁療法」を医師が紹介するブースや、弁護士ら専門家に生活の悩みを寄せてもらう相談会なども盛り込んだ。木谷さんは「囲碁ファンのためだけのイベントではなく、囲碁の楽しい雰囲気を土台に色んなことを試みたい」と話していた。
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