全日本大学野球選手権大会で首位打者、MVPに輝いた 大城卓三(たくみ)さん 東海大学4年 21歳
熱い闘志 マスクに秘め
○…「表彰式でいきなり名前を呼ばれて驚いた」。大会MVP受賞の知らせは突然だった。先月15日に行われた神奈川大学との全日本大学野球選手権大会決勝戦。5回0対0の均衡をレフト前タイムリーで破った。続く7回にはセンターオーバーの三塁打で追加点を重ね2対0、日本一に輝いた。「少しはチームの役に立てたのかな、と嬉しかった」。大会打率は5割を超えた。
○…名門・東海大相模の正捕手として、甲子園決勝の大舞台も経験。自信を胸に大学野球をスタートさせた矢先、右肘を故障しサポートに回る日々が続いた。「振り返ると、大切な出来事だった。野球を違う目で見ることができた」と高校時代レギュラーで活躍していた頃とは違う「チームを支える側」の景色を見た。
○…親元を離れ、チームメートとの共同生活を始めて7年目になる。全日本決勝では地元沖縄から応援に来た両親の喜ぶ姿を見ることができた。チームメートには一塁手の双子の兄、卒業生には投手として活躍した2つ上の兄がいる。OBでもある兄からの「おめでとう。良い結果が出てよかったな」の言葉に「ぐっときました」。高校時代、全国制覇に一歩及ばなかった悔しい背中を知る家族の存在は大きい。
〇…9月にはリーグ戦が開幕する。「追われる立場で迎えることになる。はね返すくらいのチームにならないと」と全国連覇を目指す。大切にしているのはコミュニケーション。「捕手は試合中グラウンド全体を見渡すことができる。投手に限らず指示を出して、声でひっぱっていきたい」と自身の役割を常に意識している。体育学部の4年生。「卒論もやろうやろうと思ってはいるんですけど」と笑う。進路は未定。それでも「最終的にはプロに行きたい」と目を輝かせる。「打撃でも守備でも結果を残せる選手になりたい」。さらなる成長のため、今日も深夜まで室内練習場から硬球を打つ音を響かせる。
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