世界大会で準優勝した湘南アサヒベースボールクラブの代表兼監督を務める 黒川 誠さん 入野在住 66歳
真正面でキャッチ、返球
○…3年連続で出場した春の全国中学生軟式野球大会で初優勝。今夏、日本代表として米国セントルイスへ遠征し、SLBBA国際大会で準優勝した。大所帯の中から特に上手な部員だけを集めて試合に出るようなチームとは違う。練習内容は全員同じ。「素直で真面目に練習に取り組む。勉強に手を抜かず、学校の成績も優秀。私の取材よりも、この子たちのことを書いてやってください」。声を大にして選手を称える。
○…1992年の創部からチームを率いる。「野球は手段」が持論。部員たちには常になぜと考える姿勢を求める。この練習は何が目的か。どうすればミスを防げるか。自主的に答えを出し、行動できるようになるための修養だ。子どもの反抗期に戸惑う親には「反抗期ではなく、心と体の成長期」とアドバイスを送る。「それまで親や先生の言う通りにしてきたことに、なぜと思い始める。我々大人はその疑問に正確に答える義務がある」と語る。
○…小学生の頃から野球に親しむ。ママさんソフトボールクラブの監督を10年ほど務めたこともあるが、野球経歴は意外にも「誇れるものはない」と謙遜する。熱血指導で知られた横浜高校の故笹尾晃平元監督と接し、社会人になって「一から野球を学んだ」。部員一人ひとりの人格を認め、多感な中学生と向き合い続けて20年以上。「多くの人の支えのおかげ。子どもたちに私が引っ張ってもらった」。「買い物カートを押すくらいしないと」と留守を預かる夫人にも感謝する。
○…甲子園出場者がいる卒部生は約200人。大学合格や就職の報告、練習の手伝いに古巣をよく訪ねてくる。成人の日に振袖で挨拶に来た元女子部員もいたそう。「今の自分に自信がある証拠。嬉しいね」と顔がほころぶ。卒部生は選手にとって身近な手本であり、目標となる存在だという。教え子が日々成長する力を信じて今日も全力でノックを打つ。レモンガス勤務。
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