日米大学野球選手権に出場する「侍ジャパン大学日本代表」に選ばれた 森下 翔平さん 東海大学野球部主将 22歳
不遇の時こそ楽しむ
○…2011年春の甲子園で優勝し、14年の大学選手権では主力として日本一に貢献。首都大学リーグでは3年春に首位打者を獲得した。絵に描いたような野球人生だが「日の丸」を背負うのは初めて。広角に打ち分ける巧みなバットコントロールと一発のあるスイングで侍ジャパン入りした。日米野球は12日に開幕。「高いレベルを体感できる機会。全力を尽くしたいです」と意気込んでいる。
○…町田市に生まれ、小学3年から野球を始めた。もともとは投手だったが、中学生になり青葉緑東シニアで野手に転向した。一つ下に松井裕樹投手(現楽天)がいる強豪の8番を任され、3年時には全国大会で8強入り。しかし、東海大相模高校では一転、延々と続く球拾いが待っていた。同期の半数は全国からスカウトされたエリート。「かなわないと思いました。それでも球拾いだって野球の一部。自分にとっては楽しいものでした」。チャンスはその半年後に訪れた。
○…ピッチングマシンで一人練習をしていた時のこと。たまたま通りかかった先輩がその様子を見ていた。「良いスイングの1年生がいます」。すぐに監督から一軍の試合に呼ばれ、千載一遇の打席で結果を出した。1年秋の関東大会からはスタメンに名を連ね、12打数6安打。翌年のセンバツ準決勝では満塁弾を放ち、決勝までの5試合で3割8分と大暴れした。「あの日がなければ」。転機をくれた先輩に今も感謝を忘れない。
○…現在、東海大野球部で主将を務める。趣味の読書をチームに役立てようと、休日はメンタルトレーニングや食事管理の本を読む。高校から始まった寮生活も今年で7年目。秋には集大成となる最後のリーグ戦が控える。卒業後の進路も気になるところだが、思いは不変。「野球を楽しむだけ」。決しておごらず、うれしそうに「楽しむ」と繰り返す。飾らない人柄は、打撃に負けない魅力となっている。
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