田村八坂神社(沖津善弘宮司)の大みこしが9日、41年ぶりに見つかった鳳凰(ほうおう)を屋根に乗せて修理から戻って来た。同日、神社関係者らによるおはらいと初担ぎが執り行われ、きらびやかに生まれ変わったみこしの帰還を祝った。
大みこしは、八坂神社の本殿に鎮座する素盞鳴尊(スサノヲノミコト)を渡御するため、氏子らの寄付で1982年に作られた。毎年7月の例大祭では田村神輿保存会(臼井崇会長)が中心となり大みこしが氏子町内を練り歩く。
江戸時代後期に作られたとされる先代の大みこしは、75年に神楽殿で起きた火災で焼失。その際、みこしの屋根に冠され、魔除けの意味を持つ黄金色の鳳凰は奇跡的に難を逃れた。
昨年、長らく忘れ去られていたこの鳳凰が拝殿から見つかり、これをきっかけに14年ぶりの大修理が決定。大みこしは同年8月、みこしの製造、修復を請け負う「茅ヶ崎神輿康」に移された。
神社に戻った大みこしは漆が塗り替えられ、金箔も張り替えられたほか、屋根には江戸時代の輝きを取り戻した先代の鳳凰が飾り付けられた。
「雄姿多くの人に」23日の例大祭でお披露目
1975年の火災では大みこしのほか、境内の狛犬と子供みこしも被害に。拝殿に残る焦げた跡が火災の大きさを物語っている。今では子供みこしと狛犬は再建され、神楽殿も火災に強い鉄骨造りに替わった。
こうした神社の歴史にふれ、宮総代の代表を務める小泉長治さん(80)は「魔除けの意味を持つ鳳凰が神社の平安を守り続けてくれたら」と願いを込める。
神輿保存会会長の臼井崇さん(41)も新調された大みこしを感慨深く見つめる。臼井さんは神社の歴史文化を後世につなごうと、会員増強に奔走、今では10〜20代のメンバーも増え保存会は若返った。「例大祭で大みこしの雄姿を多くの方に見てほしい。みこしをしっかり継承していく」と前を見据えている。
大みこしがお披露目される例大祭は7月23日(日)。「大神輿渡御」は宮立が午後0時30分、宮入が7時30分。前日の宵宮では「子供神輿渡御」もある。
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