「いつかプロが生まれれば」
市内中学校野球部の顧問らが7月、「平塚市中学校軟式野球普及強化実行委員会」(里倉徹哉委員長)を発足させた。軟式野球離れに歯止めをかけようと、セレクションで選ばれた野球部員や顧問を集めて合同練習し、自分のチームに学んだことを持ち帰ってもらうことで、地元野球人口の底辺拡大と競技力の向上につなげる。4日、初の合同練習を開いた。
里倉さんによると、市内の学童野球と中学部活の競技人数を合わせた軟式野球人口は2011年度の1170人から年々減少、16年度は777人に減っている。市内16校のうち大住・太洋・平塚ろうの3校の部員は9人に満たないため、日々の練習もままならない現状もある。里倉さんは「少子化の影響もあるが、硬式やサッカー人気に押されてしまっている」と分析する。
かねてから審判として全国の大会に参加し、各地の野球指導者と交流を深め、競技人口が減少している現状と顧問の指導力の格差に課題を感じていた里倉さん。他中学校の顧問と声を掛け合い、市内の軟式野球の強化と普及をめざす委員会を今年7月に立ち上げた。この組織は市内中学校野球部の顧問ら19人で構成される。意欲のある中学生には月1回の合同練習で技術を磨いてもらい、幼児には「野球遊び」で野球に親しんでもらう取組みを展開する。
合同練習当日は小雨が降りしきる中、午後6時から平塚学園総合グラウンドで催された。セレクションに合格した旭陵中や大野中など市内14校35人が参加。伊勢原市の向上高校といった強豪校でも指導を請け負う外部コーチを招き、体幹やベースランニングで意識すべきことなどを学んだり、学校では人数不足から練習が難しいポジション別トレーニングをしたりと、専門的な練習が行われた。
「よっしゃいくぞ」「しっかり走れ」と部員らは威勢のいい掛け声を響かせながら約3時間、白球を追いかけ汗を流していた。その隣では、各校の顧問が「ああやって指導すればいいのか」としきりにペンを走らせ、情報交換する姿もみられた。
浜岳中2年でピッチャーの福澤諒一さんは、「平塚学園のグラウンドで専門的な練習ができるなんて先生たちに感謝したい」とうれしそう。山城中2年でセカンドの寺崎大悟さんは、「試合で対戦し印象に残っている選手たちと切磋琢磨し合えて刺激になった。もっと上手くなりたい」と向上心をのぞかせる。
里倉さんは「成功するか不安だったが、生徒同士も先生同士も交流を深めることができたようでよかった」と胸をなでおろし、「いつかこの練習会からプロになる選手が生まれてくれれば」と期待を寄せていた。
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