今年7月に創業したTANOTECH株式会社(宝町・三田村勉代表)の福祉トレーニングシステム「TANO」が、年齢に関係なく手軽に扱えて楽しく体を動かしながらリハビリテーションに取り組めると、世界各国の福祉機器展示会で話題を呼んでいる。
各国から熱視線
楽しく運動してほしいという願いから名づけられたTANOは、体験者が画面の前で体を動かしたり音声を発したりするとセンサーが反応し、画面内のアバターが連動してゲームを行うソフトだ。
画面内で飛んでくるボールを避けたり、足を振ってゴールにシュートを決めたりといったゲームや、画面の前で3秒立つと姿勢の正しさを診断するソフトなど約80種のプログラムを備える。
2012年に三田村さんが起業した「ラッキーソフト(株)」の一事業として3年前から開発・販売されていたが、高齢化に伴う介護予防ニーズの増加を受け、独立した。
人気の秘密は、年齢に関係なく手軽に扱える点だ。寝たきりや認知症の高齢者の使用も想定し、座ったまま腕を振るだけで操作ができるなど、工夫を凝らす。また、理学療法の専門家や大学教授のプログラム監修を仰ぎ、動作が大きくなるようなアイデアを取り入れるなど高齢者のリハビリ効果も高めている。
TANOを導入した静岡県の福祉事業所は「誰でも簡単にレクリエーションや運動ができ、コミュニケーションツールとして浸透している」と成果を実感している。
三田村さんによれば、日本の福祉機器には世界各国から熱い視線が注がれているという。
中国では一人っ子政策の影響で将来的に介護人材の不足が予測されており、同様の課題に直面する日本からノウハウを学び、福祉機器を導入することで将来の負担を軽減しようとしている。今年8月には同国浙江省杭州市で介護施設を運営する企業にTANOが導入され、介護予防に役立てられている。
北欧フィンランドの大学とも9月から共同事業がスタート、授業で学生にTANOを活用してもらい、北欧基準の機能性やデザイン性のフィードバックを受ける。このほかカタールやブラジル、ドイツ、台湾、韓国などの展示会でも発表され、今後も世界各国で注目を浴びそうだ。
三田村さんは「平塚から世界を変える動きをしていきたい」と今後に意欲をのぞかせている。
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