平塚盲学校元教員の松浦恵子さん(中原在住・71)が著書『白い杖の先に』(神奈川新聞社A5・126ページ・1000円税別)をこのほど出版した。
自身を投影した主人公が38年間の教員生活を振り返り、障がいがありながらも懸命に生きる生徒たちとの触れ合いを描くほか、平塚盲学校の前身にあたる私立中郡盲人学校を設立した秋山博(1863〜1918)の功績を物語調で紡いだ一冊。「福祉の過去と現在を繋ぎ、未来に伝える本にしたい」と松浦さん。
「今より厳しい差別があった時代によくぞ」と視覚障がい者教育の先駆者だった秋山に興味を持ち、定年退職後も墓がある金目の寂静寺を訪ねるなど取材活動を続けてきたという。そんな中で、3年前に「津久井やまゆり園」で殺傷事件が起こり、ショックを受けた。「障がいがあろうがなかろうが、命を秤にかけることはあってはならない。今こそ、福祉の原点に立ち戻る時」と筆を執った。
タイトルにもある「白い杖」は、視覚障がい者にとってアイデンティティーの一つだという。「白杖を自分の目として意識したその先に自立がある。そんな思いで歩く人たちと、共に当たり前に生きる社会の実現を目指していきたい」と松浦さん。同書はサクラ書店ほかで販売中。
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