二之宮徳昭さん(34・田村在住)は、市内の介護施設で働きながら総合格闘技のリングに上がり王者を目指している。
総合格闘技は打撃、投げ、締め技で勝敗を競う。父の勧めで小学5年に始めた柔道に高校卒業まで励み、18歳からクロス・ワンジム湘南(藤沢市)に所属し、総合格闘技を始めた。きっかけは当時テレビで流れていた格闘技イベント『PRIDE(プライド)』への憧憬。柔道の組みや締めを応用できると考え、打撃にも挑戦したかった。
20歳でプロデビューしたが、23歳で頭に強烈な右ストレートをもらい医師やジム関係者から引退を促された。しかし、未練があった。「もっと行ける」と復帰へと動き出し、28歳でリングに戻ったのも束の間、30歳で悪夢の再来。今度は左ストレートで意識が飛び気付けば天井を仰いでいた。
周囲からは今度こそ「これ以上は危ない」と止められたが、「1回目も復活できたから、2回目も何とかなる」と不撓不屈の精神で2018年8月の復帰戦を得意の横三角締めでKO勝ち。目下、総合格闘技「ZST(ゼスト)」で3連勝を飾り、8月13日の試合と年内にもう1つ白星を重ねればフライ級王者への挑戦も見える。
介護職には28歳で就き、介護付き有料老人ホームひらつか悠生苑に勤務。「格闘家の介護職は、結構いる。先輩に影響を受けて私も就いた」。リング上の闘争心とは裏腹に、穏やかで真面目な人が格闘家には多いという。
二之宮さんもグラブを外せば、礼儀正しく、柔らかい物腰と屈託のない笑顔で、利用者に寄り添う介護士だ。「入居者さんの笑顔を見たときや、『ありがとう』って言われるとうれしい」と話し、肉体労働や夜勤も鍛えた体で物ともしない。
闘う夫を妻・恵美子さん(41)は間近で見守る。「減量から試合までは毎日ハラハラドキドキ。本人がやるうちは応援するけど、頭へのダメージもあるので無理はしてほしくない」とぽつり。徳昭さんは「終わりは次にKOされるか、タイトルに絡む試合のとき。15年やってきた証に1回でも一番になりたい」と語った。
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