龍城ケ丘プール跡地を中心とした公園整備計画について、平塚市は8月24日、施設配置などを見直した新たなプランを公表した。定例記者会見で落合克宏市長が概要を明らかにした。
プール跡地周辺の開発をめぐっては、従来のプランに交通対策上の懸念点があるとして、県と県警との協議の中で安全性への配慮を求められていた。市は5月、着工に向けた事業者との実施協定締結期限を今年6月末から2024年3月末に再延期しており、計画案の見直しを進めていた。
今回示されたプランでは交通面の諸課題を解消するため、東西に整備予定だった駐車場を東側の1カ所に集約。塩・風害や飛砂調査の結果を踏まえて樹林の保全率向上にも配慮した。駐車場の収容台数は従来の120台から85台に減少することになり、市は国道134号に駐車場の混雑状況を知らせる掲示板を設置するなどして渋滞対策を図る予定としている。
整備エリア中央に建設予定だったマルシェ棟は東駐車場側に移設し、カフェ施設はバーベキューレストランと統合。イベント、スポーツ広場などを含む施設全体の配置を見直すことで生まれた空間は、植栽スペースとして活用する。
市は周辺住民と対話の機会を設けながら、県警や県との協議を進めるとしている。
樹林保全率53%に引き上げ25年春のオープン目指す
見直し案では、これまで実施してきた塩・風害や飛砂観測調査を踏まえて樹林保全についても変更が加えられた。整備エリア全体に約1・2ヘクタールある既存樹林の保全率を、従来の37%(約0・46ヘクタール)から53%(0・67ヘクタール)に引き上げる。
風や塩、飛砂による内陸部への影響を軽減するため、プール跡地周辺や駐車場北側への新規植栽も実施。国道134号沿いなどには高木のクロマツを植える。
砂浜にハマヒルガオなどの海浜植物がある場所と植生の無い場所では飛砂量に5倍近い差があったことから、これら海浜植物の保全・育成にも取り組むとした。調査によると、飛砂の多くは高さ80センチメートル以下で発生しており、計画地の南側に樹高1メートル以上の植栽帯を形成して飛砂を捕捉。堤のような高さ1メートルほどの段差も設け、計画地への砂の侵入を防ぐという。
9月に市民対話
市は9月中に市民との対話による見直し計画の説明を行い、県や県警などとの協議に進む。着工は2024年4月、オープンは翌年春ごろを目指している。24日の定例記者会見で落合市長は、「(見直し案は)数値的なものを積み重ねて出てきたもの。これを基本にして対応していくことで、市民の安全対策に資することができると判断した」と述べた。
樹林伐採に反対する豊かな海と暮らす平塚市民の会の有川和香恵さんは、「樹木の保全率を引き上げたが、どこを残しどこを切るのかが重要。切られる部分は中木や高木が生えているエリアで、これらの木々が風速や塩分量を減衰する働きをしていることを、ぜひ市民の皆さんに知ってもらいたい」と話した。
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