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市観光協会など 家康でにぎわい呼び込め 大河契機に弁当など開発

社会

公開:2022年11月17日

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試作弁当を持つ水嶋さん(中央)ら
試作弁当を持つ水嶋さん(中央)ら

 来年1月スタートのNHK大河ドラマ『どうする家康』を観光振興につなげようと、市観光協会などが関連商品の開発に取り組んでいる。徳川家康と平塚市のゆかりに着目し、「平塚を徳川家康の聖地化プロジェクト」と銘打って「家康弁当」の考案や家康が愛飲したとされる酢の再現を目指す。

 平塚には、家康が江戸と駿府の往還時に宿泊や鷹狩りの拠点として利用した中原御殿をはじめ、史跡や遺品、伝承などが残されている。大河の放送を機にこれらの観光資源にスポットライトを当てようと、同協会が今年8月にプロジェクトを発足。観光庁の補助金を活用して取り組む。

 参加する企業や団体の関係者による初顔合わせが11月9日にあり、市食堂連合の水嶋一耀さん、醸造学などが専門の穂坂賢東京農業大学教授、江戸料理研究家の柳原尚之さん、月刊誌『歴史人』を発行するABCアークの社員らが参加した。

 水嶋さんが中心となって考案する「家康弁当」は、家康にゆかりのある土地や故事にちなんだ食材にこだわる。和食を中心とした市内の飲食10店ほどが参加予定で、各店が独自の弁当を作るという。

 この日は水嶋さんが試作した弁当が振る舞われ、静岡特産のシイタケの天ぷらや、鷹狩りの獲物になぞらえた鳥料理、駿河湾産のイワシのつくだ煮などを味わった。水嶋さんは「家康と言えば江戸。アナゴや芝エビなどの江戸前も使いたい」とアイデアを練る。

 もう一つの目玉商品が、家康が愛飲した酢を再現した「家康酢」だ。中原御殿周辺では代官の成瀬重治が酢を製造しており、家康はこの「成瀬酢」をいたく気に入り幕府にも献上されたという。現代の酢と比べて乳酸が多いのが特徴で、開発に協力する穂坂教授は「当時とは気候や原料が異なるので想像によるところは多いが、子どもでも飲めるような商品にしたい」と往時の味の再現を目指す。

 ABCアークは、平塚と家康との関連を調査してガイドブックを作成。大河効果による平塚への観光客増加を期待し、歴史ロマンを感じながら市内を回遊してもらいたい考えだ。

 それぞれの商品は来年2月の「湘南ひらつか観光フェスティバル」でお披露目予定。同協会の松山明彦事務局長は「このプロジェクトを行うことが最終目的ではない。これをきっかけに平塚のファンを増やしたい」と期待を込めた。

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