平塚市美術館の草薙奈津子特別館長が3月で退任する。2004年の赴任以来、19年にわたって市民とアートの懸け橋を担ってきた草薙館長に、これからの同館に対する期待を語ってもらった。(聞き手/本紙記者・前田薫里)
――美術分野に関わり始めたきっかけは。
「大学卒業後、父の紹介で東京の美術館で働き始めたのがきっかけです。19年前に平塚市美術館からのお声がけで、館長として参りました」
――初めて同館を訪れた時の印象は。
「人が入っていないと感じました。自分の知り合いの作家に展示を頼むことから始め、徐々に子どもが参加できるワークショップも開催して人を集めました。トイレを借りるだけでもいい。まずは多くの方に美術館を身近に感じてもらいたいと思いました」
――印象深い展示はありますか。
「08年に開催した『近代日本画の巨匠 速水御舟―新たなる魅力―』です。国立近代美術館でも借りられなかったような作品を展示しました。それ以降いい作品を借りられるようになりました」
――企画展などを行う際に心がけたことは。
「大勢に理解してもらえる、分かりやすいテーマで展示を行ってきました。ただ、これからは、平均より少し上のひねりのある工夫をして、市民の方にも面白いと思ってもらえる展覧会を開催していってほしいです」
――これからの同館に期待することは。
「学芸員たちは順調に育っています。土地柄に合わせつつ、新しいことに取り組んでもらいたい。そうしないと、観に来てくれる人がつまらなくなってしまいます。人と人とのつながりを大切にしてもらい、学芸員を慕う芸術家たちも集まってもらえたら」
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