県動物愛護センターに収容されている動物の数が、収容可能数を超える状態が続いている。中でも猫は上限の90頭に対して約200頭を飼育。うさぎの収容数も約30羽に迫るなど、センターでは譲渡による新たな飼い主への「命のリレー」を急いでいる。
センターは現在、犬40頭、猫200頭に加え、うさぎ30羽、その他の小動物を含め300近い動物を保護。犬は上限の75頭に対して余裕があるものの、猫は上限90頭に対して2倍以上の頭数となり、臨時の収容スペースを活用しながら弾力的な運用を強いられている。
「多頭飼育」崩壊原因
保護猫の収容数は、近年高止まり傾向が続く。主な要因は、10頭以上の犬猫を管理しきれなくなる「多頭飼育」の崩壊によるものだ。
2020年度は150頭近い猫を収容した時期があったほか、21年度は飼育が困難になった1人の多頭飼育者から130頭を引き取り、収容数が250頭に膨れ上がったこともあったという。
猫は犬に比べて繁殖力が強いが、鳴き声も小さいことから頭数が増えて手に負えなくなっても周囲から気づかれにくい。センターの職員は「多頭飼育で引き取った猫の中には、適切な世話がされていなかったり人に慣れていなかったりするケースも多い。時間をかけて世話をしながら、次の飼い主への譲渡につなげている」と話す。
うさぎの収容増
近年は猫だけでなく、うさぎの引き取り件数も目立つ。
県内では昨年8月、県西地域の夫婦が買っていた2羽のうさぎが繁殖して200羽以上に増え、センターとボランティア団体に引き取られた。うちセンターが引き取った150羽は、ボランティアなどの協力も得ながら全羽を譲渡したという。
今年度に入っても、3人の飼育者から30羽近いうさぎが持ち込まれたといい、インコやハムスターなどの小動物を飼育する6畳ほどのフロアを「貸し切り」にして飼育している状態だ。
センターではうさぎの里親を探すため、9月17日(日)に譲渡面接会と見学会を実施する。
飼育希望者は事前に電話で飼育環境などを伝え、当日センターに来所する。時間は午前10時15分、11時15分、午後1時15分、2時15分の4回。うさぎとの相性が合えばその日のうちに連れて帰ることができるという。収容ケースなどは各自持参。事前申し込みをせずに来所も可能だが、面接や譲渡は後日となる。
犬猫の譲渡説明会も同日に行われる。開催時間などの詳細は同センター【電話】0463・58・3411。
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