全長800Kmを超える平塚市道の補修を効率化するため、市は公用車に設置したスマートフォンで道路の損傷状況を撮影し、AI(人工知能)で解析するシステムを導入した。職員による目視と比べて調査や解析にかかる時間が大幅に短縮され、市は「道路の補修計画などが立てやすくなる」と期待する。
民間企業と東京大学が共同開発したシステムを採用し、9月下旬から道路のパトロールに活用している。類似のシステムは神奈川県も導入しており、市町村単位では県内初という。
委託業者から貸与されたスマホを公用車のフロントガラス上部に設置し、市道を走行しながら動画で撮影。データは業者に送信され、10m間隔で記録した画像を基に道路上のひび割れ、わだちなどの損傷をAIが3段階で評価する。路面標識のかすれ度合も4段階で解析できるという。
解析は1時間程度で済み、損傷箇所は地図上に落とし込まれるため、市道路管理課は「市道全体でどれほどの損傷が発生しているかが一目で分かるようになる」と話す。
補修要望、年800件
市民から寄せられる道路の補修要望は、年間800件に上るという。道路の損傷は通常、職員が公用車でパトロールしながら目視で確認。市民が損傷箇所をスマホで撮影して市に通報する「みちれぽ」なども活用しながら路面状態の把握に努めているが、市道全体をくまなく調査するのは「職員の人出や業務量を考えると現実的ではなかった」という。
AIの導入により、目視でのパトロールでは解析まで含めると7カ月ほどかかる業務が約2カ月で完了するという。職員の負担も軽減されることから、「他の業務に人手を割くといった効果も期待できる」としている。
調査は10月下旬まで続ける予定で、1日最大70Kmほどを走行してデータを蓄積していくという。
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