8月24日にひらしん平塚文化芸術ホールで公演を行う 式町 水晶(しきまち みずき)さん プロバイオリニスト 27歳
夢や希望 音に乗せ
○...「障害の有無に関わらず演奏を楽しんでほしい。来てくれた方を少しでも元気づけられたら」。8月24日にひらしん平塚文化芸術ホールで開催される公演に向け意気込みを語る。平塚での公演は2023年1月の中央公民館に次いで2度目。「平塚でまた公演できることをうれしく思う」と頬を緩める。
○...北海道出身。3歳で小脳低形成脳性まひと診断された。小脳の大きさが半分以下のため、筋肉の調整が難しく歩行も困難だった。「脳にも足にもいいのでは」と4歳でバイオリンを始めた。すぐに夢中になり、プロを目指す。5歳のころから慰問演奏を始め、医療刑務所が印象深く心に刻まれている。「拍手以外はダメなのに『ありがとう』と言ってもらったことが忘れられない」
○...車いす生活だった小学6年のころ、障害を理由にいじめにあうように。「それまで親切にしてくれる仲間ばかりだったけど、いじめられたことで価値観が変わった。障害者は弱者のイメージ。弱い人間と思われないように、強い人間になりたい」と決意。強くなるため、ランニングや空手、ボクシングなどに励んだ。「音楽はスポーツと一緒で体力づくりが大切」。積み重ねたトレーニングが、バイオリン公演にも生かされている。
○...今回の公演では、3種類のバイオリンを弾き分ける。その内の一本が東日本大震災の津波に耐えた、陸前高田奇跡の一本松から作られた「津波ヴァイオリン」だ。「障害者と健常者の垣根を越え、より多くの人々に夢や希望を贈りたい」との思いで、託されたバイオリンを全国各地で奏でる。2018年にはメジャーデビューも果たし、夢を叶えた。「誰でも楽しめる公演の追求」を新たな目標に、今日も舞台に立つ。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>