平塚市は10月から、生活保護受給世帯と児童扶養手当を全額受給する世帯を対象に、大学や専門学校等の受験料や模擬試験料の一部を補助し、進学への後押しを図る施策を開始する。県内の自治体では初めての取り組みという。8月27日に開会した市議会定例会に、事業費46万9000円を計上した補正予算案を提出した。
平塚市では、ひとり親家庭等の子どもの進学機会を確保することを目的に、国のこども未来戦略の「加速化プラン」の具体的施策である「こどもの生活・学習支援事業」を実施する。高校3年生を対象に、大学等の受験料は5万3000円、模擬試験料は8000円、中学3年生には6000円を上限に補助する。同事業は、国と県からの補助を受け行われる。
貧困の連鎖断ち切る
対象は生活困窮者自立支援法に基づき、市が実施している学習支援事業に登録している人。今年度は高校3年生、中学3年生ともに7人を見込んでいるという。
市ではひとり親家庭等の子どもを対象に、2013年度から中学生、2022年度から高校生の学習支援事業を実施している。学習支援は、学校の宿題や課題、レポートだけでなく、子どもの居場所づくりとしての役割も担っている。
担当のこども家庭課では「今年度はそれぞれ7人を見込んでいるが、将来的には支援人数を増やしていきたい」と話す。落合克宏市長は「経済的課題を抱えるひとり親家庭や生活保護世帯等の低所得子育て世帯の子どもの進学に向けたチャレンジを後押しし、進学段階での貧困の連鎖を断ち切りたい。将来の可能性を高められれば」と期待を込めた。
問い合わせは平塚市こども家庭課【電話】0463・21・9843へ。
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