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「いそっこ海の教室2012」の実行委員長を務める 加藤 孝さん 大磯町在住 68歳

公開:2012年7月20日

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加藤 孝さん

海に育まれた寛大さ

 ○…「今の子どもたちは外で遊ばなくなってしまった。イベントを通じて少しでも海の素晴らしさを伝えていきたい」。「いそっこ海の教室2012」実行委員長として、8月12日(日)に迫った催事に向け、準備に奔走中だ。当日は、スノーケリングやカヌー、ボディーボード、ヨット教室を開催。さらに、漁業体験を行う予定で、定置網で魚を引き揚げるだけでなく、仕分けなどの出荷作業までを参加者たちに体感してもらう。今年で8年目となる大磯町漁業協同組合長でもあり、「漁師という仕事を身近に感じてもらいたい」と期待を膨らます。

 ○…生まれも育ちも大磯町。漁師だった父親の背中を見て育ち、自然と海を職場に選んだ。「幼い頃は磯に出かけてタコやサザエを捕まえて遊んでいました。慣れ親しんだ場所を主戦場にすることに何の迷いもなかった」と言う。漁師を始めて54年、命の危険を感じたこともあったがそれでも海に出続けた。大磯の漁業を必死に支えてきたが、業界の衰退は目に見えて進んでいく。昔に比べ漁協組合員は大幅に減り、若者の魚離れも進んだ。

 ○…「このままではマズイ」と危機感を募らせ、取り組んだのが『海の開放』だ。朝市に漁港を使用できるよう、粘り強く周囲を説得。その甲斐あって今ではすっかり定着し、1万人以上を集客するビッグイベントとなった。「港は漁師のものという固定観念を拭い去り、大磯の新たな観光地に育てていきたい」と今後の発展を願う。12日の海の教室では、港湾部分を開放する。「年に1回、子どもたちのためだから」と他の漁業関係者たちから了解をとりつけた。

 ○…自身が社長を務める(有)湘南定置では、地元漁業の将来を担う若手の育成に力を注ぐ。20代や30代の社員たちが失敗しても、多少のことなら目をつむるようにしている。「漁師を志す、海好きな人間が1人でも多くいてほしいから」。
 

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