海底線中継局 KDDIから譲渡打診 二宮町「総合的に検討」
二宮町山西のKDDI二宮海底線中継センターを無償で譲渡する打診がKDDIから同町へあった。譲渡の受け入れについて現在のところ町は明確な方向性を示しておらず、「さまざまな条件を考慮して総合的に検討していく」と話す。
相模湾に面した同センターは敷地面積約4000坪。建物2棟がある。これらを町が譲り受けた場合、1千万円の固定資産税が入らなくなるという。土地と建物の維持管理費は町が負担することになる。また、施設内の設備を撤去する際の費用をどこが負担するか、土地と建物の利用方法に制限の有無が生じるのかどうかなど、無償による譲渡といっても明らかにしておかなければならない問題が存在する。
一方、二宮駅に近い立地のよさや芝生が広がる広大な敷地を将来の町づくりに活かせるのではないかという面もある。
町は中里地区の東京大学二宮果樹園跡地を今年3月に取得。跡地の利活用方法について検討を進めている最中だ。百合が丘保育園の移転や、約65%が老朽化しているといわれる公共施設の維持管理・運営などの課題もあがっている。
そうした状況の中での二宮中継センター譲渡の打診。町はタウンニュースの取材に対し、具体的な方針や交渉の内容は何も決まっていない段階であると話し、「さまざまな条件が出てくることを考え、町の計画や課題を含めて総合的に検討し、判断していく」という。
同センターは1964年6月に発足。二宮と米国西海岸のバンドンを総延長2万4500Kmの太平洋横断ケーブルがつなぐ。1997年には韓国や中国、インド、中東とヨーロッパまで結ぶ海底ケーブルFLAGの運用が開始された。
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