大磯の大玉柿が収穫の最盛期を迎えた。町内の農園では、栄養分を補給するために青々と茂る柿の葉の間で、ずっしりと成長した実が存在感を放っている。11月初めごろまでサクサクとした食感が特徴の「太秋」が食べごろで、その後はおなじみの「富有」が登場する。
大磯町で大玉柿づくりが始まったのは、今から40年以上前。和歌山県や奈良県などの大量生産地との差別化を図ろうと、生産者たちが県の園芸試験場とともに研究を重ね、富有柿の大型化に取り組んだ。大玉の性質を持つ太秋が新しい品種として登場すると、富有で確立した栽培技術を太秋に応用した。
甘みが強く、高品質の大玉柿は、大磯の逸品として人気が高い。町落葉果樹研究会に加入する十数軒の農家が、寺坂や黒岩、国府本郷地区などで生産している。各農園では年に1度、土壌検定を実施。剪定と摘蕾、摘果といった作業ごとに毎年講習会を開き、互いの農園を視察するなどして研鑚を続ける。
「お客さんに喜んでもらえるよう、味のよい実をならせることを目標に、栽培には手間ひまかけています」。同会会長の鈴木教夫さん(73)=寺坂=はそう言って胸を張る。超大型の台風21号による大きな被害はなく、雨天続きで中断していた収穫に精を出す。
大玉柿は生産量が少ないことから市場に出回らず、農家の庭先や直売所、固定客への宅配で販売。11月26日にJA湘南大磯支所駐車場で開催される「大磯ふれあい農産物まつり」で大玉柿の試食販売を実施する。
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