老朽化や耐震性能の不足などが指摘されている役場庁舎の整備手法を検討していた二宮町は、生涯学習センターラディアン周辺に庁舎を新設する方針を固めた。2018年度に基本構想・基本計画を策定するための事業費1000万円を予算案に盛り込んだ。
町は今年度、役場庁舎の整備手法に関する調査をコンサルタント会社に委託した。庁舎の現状や改修・移転の際に生じる課題、必要とされる機能と規模、概算事業費などを整理し、調査報告書を作成。【1】現庁舎の耐震補強【2】現在の場所での建て替え【3】ラディアン周辺への移転【4】東京大学果樹園跡地への移転の4案について利便性と事業性、安全性を調べ、比較検証を行った。
「早期着工が可能」
調査の結果、4つの整備案のなかでラディアン周辺への移転が最善であると判断。▽中心市街地とラディアンに近く、分かりやすい▽県道71号に接道、歩道も整備されていて徒歩や自転車、路線バスでアクセスできる▽近隣に住宅がなく、工事上の支障が少ないことなどが評価された。
駐車台数の確保や埋蔵文化財の保護といった課題もあるが、移転候補地としてあげる町営第一駐車場の機能移転に支障がなければ、早期に着工ができると示した。概算事業費は15億円と試算、最も費用が抑えられると見込む。
現庁舎耐震補強については、コンクリートの劣化による強度不足で耐震工事そのものや施設の狭あい化の解消が難しいとした。現在地で建て替える場合は仮庁舎が必要となり、費用が20億円を超える見通し。東大果樹園跡地への移転は利便性や道路アクセスに課題があり、市街化調整区域に位置することから関係機関との協議や許可・申請手続き、敷地造成などに時間がかかることが考えられた。
機能集約図る
地上3階地下1階の現庁舎は、1978年に旧耐震基準で建てられた。高台に立地しているため歩行者や自転車が坂道を登るには不便で、慢性的に駐車場が不足。利用者・職員の安全、防災拠点としての観点からも庁舎整備に関する方向性の結論が待たれていた。
町は18年度、新庁舎の基本構想・基本計画策定に取りかかり、分散している教育委員会事務所などを役場庁舎に集約する方針だ。
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