大磯町は自転車シェアリング事業を、今春にもスタートさせる。同事業の中国大手「モバイク」の日本法人と連携し、自転車を活用した観光振興や地域活性化を目指す。モバイクの国内本格展開は大磯が初となる。
自転車シェアリングは、海外でも導入が進む自転車の貸出しサービス。自転車を借りた場所に返却する必要のあるレンタサイクルと異なり、複数ある拠点(モバイク駐輪場)のどこでも自由に自転車の貸出・返却ができることが特徴。都市圏では放置自転車の削減や自動車利用の抑制、地方では公共交通機関の補完などの効果が期待されている。
観光振興に取り組む大磯町では、観光客の回遊性向上のため総合計画の重点事業に「自転車ネットワークの整備」を掲げ、自転車利用の環境整備を進めていた。そうした中、2017年12月に「モバイク・ジャパン株式会社」と対話アプリ「LINE」を展開する「LINE株式会社」が提携し、日本国内で自転車シェアリングサービスを展開することを発表。報道を受け、町はただちに同社に連絡をとり連携を打診し、明治150年を迎える大磯の歴史や文化、自然、海岸線を走る太平洋岸自転車道の存在などをPRした。折衝の末、2月に大磯町で自転車シェアリング事業を推進することで合意した。
近く事業目的や役割などを明記した協定書を交わす。拠点となるモバイク駐輪場の場所や自転車の台数、利用料金などについては、同社が17年に札幌市で行った試験的サービスの結果などを参考に協議し3月中に発表、事業を開始する方向で調整を進めている。
大磯から拡大
導入される自転車はパンクレスタイヤなどを採用し4年間整備不要という耐久性を誇る。スマートフォンアプリで解錠や決済ができるほか、モバイク駐輪場の検索や予約もできる。18年度中にLINEからもサービスを利用可能にする。
事業に関する町の費用負担はゼロ。町はモバイク駐輪場候補地の提供や紹介、町民や近隣自治体への周知などを行い、モバイクは自転車の提供や運営、メンテナンスなどを担う。町では観光客の回遊性向上や町民の通勤・通学での利用、公共交通機関の補完、健康増進、店舗などに駐輪場を設けることによる誘客などの効果を期待している。
町は「大磯がきっかけとなり、自転車シェアの輪を広げていきたい。利用が進めば、行政に限らず民間にも自然と広がっていくと思う」と期待を寄せる。将来的には湘南地域をはじめ、秦野や伊勢原など小田急沿線とも相互利用できるようにしていきたい考え。
町内にはポートハウスてるがさきで6台、大磯町観光協会で5台のレンタサイクルが稼働している。町は「利用方法や料金設定などが異なるので共存できると考える。観光客にとっても利用目的に合わせて選択できるのは良いこと」と話す。
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