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客殿を地域の共用空間に 大磯 東光院の「海近寺巣」

社会

公開:2018年7月13日

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利用者が思い思いにくつろぐ
利用者が思い思いにくつろぐ

 大磯町の東光院(大澤暁空住職)が客殿を改装し、地域の人が自由に利用できる多目的ホールとして開放している。

 「海近寺巣」(うみちかてらす)と名付けられたこの空間には、仏教の専門書から漫画まで約1000冊が揃う仏教図書館をはじめ、車椅子やオストメイトに対応したトイレ、授乳室などを備える。一角には明治時代の大磯を写した写真展示もあり、飲み物も無料で提供している。

30代コンビが考案

 海近寺巣を考案したのは、昨秋に29代住職となった暁空さん(32)と寺務の古井昇空さん(37)。近年の東光院は地域行事への参加や本堂でジャズライブ・ヨガ・朗読会を開くなど、若い2人の発想と行動力で地域と新たなつながりを育んでいる。

 今回は「お寺をもっと身近で気軽に足を運んでもらえるような場所にしたい」という思いから客殿の改装に取り組み、様々なアイデアを盛り込んだ。「誰もが気兼ねなく利用できるように」と車椅子でも利用できる昇降機や貸出用の車椅子を完備するなどバリアフリーにこだわり、AEDも設置。また育児中の母親たちの意見を取り入れ、授乳室に目隠しやクッションを置くなど利便性にも配慮した。一方でごみ箱や授乳ベッドを自作するなどコスト抑制にも取り組んだ。「お金をかければいいというものではなく継続性が大切。子どもたちが涼みながら勉強し、その隣でお年寄りがお茶を飲んでくつろいでいるような空間になることが理想です。地域の小さなお寺として格好付けることなく続けていきたい」と思いを語る。

 海近寺巣の開放時間は午前8時30分から午後6時までだが、暁空住職は「時間外でも寺に人がいれば開けます。気軽に声をかけてください」と話す。

 問い合わせは東光院(大磯町大磯1525)【電話】0463・61・0867へ。

住職(左)と古井さん
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