中井町半分形の住民の手で開かれてきた歴史勉強会が、7月8日に50回目を迎えた。8年前に起こった半分形地域に関わる歴史的発見をきっかけに2015年からスタートした月1回の勉強会に、地域の内外から歴史ファンが参加し続けている。
中井町半分形歴史研究会(関谷満会長)の主催で、毎月8日に半分形自治会館で開催されている勉強会。この日は地域の年配の女性たちの間で受け継がれている「八日念仏講」の開催日にあたり、同館に安置されている大日如来像を開帳して女性らが念仏を唱えている。
町の指定重要文化財にもなっているこの大日如来像だが、1979年の調査で内部から胎内仏と一緒に古文書が見つかり、初代の仏像が盗難に遭い、後に仏像を作り直していたことなどが判明した。初代の仏像の行方は杳として知れなかったが32年後、この謎を解明する一報がもたらされた。
820年ぶりの発見
2011年12月、中井町教育委員会に千葉県在住の斉藤(旧姓・工藤)登美子さんから、神奈川県に住む友人を通じて手紙が届いた。そこには山形県鶴岡市大鳥地区の龍雲院にある大日如来坐像の由来に「1193年に源頼朝の寵臣だった工藤祐経が曽我兄弟に討たれた後、伊豆にいた祐経の弟の祐茂が身の危険を感じて大鳥地区まで逃れてきた。その際、相模の国田中の森に鎮座していた大日如来像を奉持してきた」とされていることが記されていた。斉藤さんは工藤一族の子孫。田中は半分形に隣接する地域だ。この歴史的発見に沸き立った関谷さんら半分形の有志は12年に調査団を組織。鶴岡市を訪れて大日如来像や祐茂の墓を参拝し、大鳥地区の住民とも交流した。
実地調査や交流も
この調査をきっかけに「地域の歴史をもっと知ろう」と勉強会が始まった。町文化財保護委員でもある関谷さんが講師を務め、大日如来像や工藤一族、この近辺を治めていた中村一族などをテーマに学んできた。第1回から参加する武井宜久さん(田中在住)は「地元の歴史を住民が知らないのでは寂しい。町をあげて学び、周知すべき」と主張する。関谷さんは「参加者がいる限りと続けて来たら50回。これからも皆さんと学びながら、町内での実地調査や鶴岡市との交流なども企画できれば」と構想を語った。
勉強会には誰でも参加可能。会費100円(資料、飲み物付)。問い合わせは関谷さん【電話】0465・81・0009。
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