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「粋に使って」浮世絵ノート  二宮の印刷会社 和紙を製本

文化

公開:2019年11月29日

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フルサワ印刷会長の古澤さん(右)と社長で娘の真下さん。手にしているのは富嶽三十六景の「相州梅澤左」と「神奈川沖波裏」
フルサワ印刷会長の古澤さん(右)と社長で娘の真下さん。手にしているのは富嶽三十六景の「相州梅澤左」と「神奈川沖波裏」

 歌川広重の東海道五十三次。新紙幣の絵柄に決まった、大波と富士山で有名な葛飾北斎の富嶽三十六景シリーズもある。二宮駅北口商店街のフルサワ印刷の玄関先。浮世絵を表紙と裏表紙にしたノートがずらりと並ぶ。

 中のページも独特の風合いを持つ和紙だ。「日本の文化や歴史に興味を持ってもらえればと思って」。事務所から声を掛けてきたのは、同社会長の古澤吉郎さん。倉庫に眠っていた大量の和紙を利用し、10年ほど前から浮世絵ノートを作っている。浮世絵を扱った複製画の企画販売や銀行のノベルティ製作をしてきた実績があった。このノートを仕事の関係者などに配布。今年春から玄関先に陳列して販売を始めたところ、じわじわと人気が出てきたという。

 大正3年に創業した同社の三代目を継いだ古澤さんは、持ち前の行動力とアイデアで大手企業とも取り引きし、事業を拡大。少年時代から浮世絵が好きで、職人を探して復刻版を集めたことも。二宮町長を務めたとき、富嶽三十六景の「相州梅澤左」が地元の二宮であることをアピールした。

 スマホやパソコンが全盛の世の中で、和紙に手書き。「ノートの使い方は人それぞれ。和紙は裏写りしにくいので、御朱印や旅行の記念スタンプを押したり、サイン帳にしたりするのもいい」と古澤さん。笑顔が絶えない85歳は「人に喜ばれる、楽しんでもらうことが健康の秘訣」と話す。

 東海道五十三次のノートはA5よりひと回り大きいサイズで1冊300円。4冊1000円。富嶽三十六景のノートは1冊500円。問い合わせはフルサワ印刷【電話】0463・71・0114。

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