大磯町内で国が整備を進めている明治記念大磯邸園にからみ、町教育委員会は8月21日に「旧大隈重信別邸・旧古河別邸」と「旧古河別邸(陸奥宗光別邸跡)」を町指定有形文化財(建造物)に指定したと発表した。
同園は伊藤博文邸跡(旧滄浪閣)を中心とした歴史的建物群と周辺の緑地を、2024年度の全面公開を目指して一体的に整備を進めているもの。今回、有形文化財に指定された旧大隈邸と陸奥別邸跡も整備計画に含まれている。
旧大隈邸は1897(明治30)年に大隈が購入し別荘として利用していたものを、1901(明治34)年に古河財閥の古河市兵衛が購入。大広間や北座敷、大隈が書斎として使っていた「神代の間」などが当時の姿のまま残っている。町教委は「雁行型の部屋配置や銘木を使いながらも落ち着いた設えなどの特徴から、海浜別荘地・大磯の草創期の別荘建築として貴重な建物」と評価。一方の旧古河別邸(陸奥別邸跡)は、陸奥が1894(明治27)年に建てた別荘を1904(明治37)年に譲り受けた古河家が関東大震災で建物が倒壊した後、その跡地に1930(昭和5)年に建築した。「瀟洒な数寄屋風の住宅建築。昭和初期屈指の近代和風建築で、当時の姿をよく留める貴重な別荘遺構」としている。いずれの建物も戦後は古河電気工業が所有し迎賓館「大磯荘」として利用されていたが、大磯邸園の計画が持ち上がり、2018年に国へ譲渡された。
今回の指定で大磯町の指定文化財は鴫立庵や滄浪閣など31件になった。国は同園の「西園寺公望別邸跡・旧池田成彬邸」についても文化財指定の検討を進めている。
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